Anniversary


結婚
欧米では、結婚式にその記念日にちなんだ品を夫婦で贈りあう習慣があります。1年目の紙婚式から75年目のダイヤモンド婚まで、名称は国や地域で異なりますが、共通しているのは柔かいものから堅固なものへ、価値あるものへと移っていることです。これは、夫婦の関係を象徴しています。
夫婦としての絆より「家」を重視した日本では、結婚記念日を祝うという感覚はなかなかうまれませんでした。現在でも、銀婚式や金婚式などで、記念の旅行をしたり、子供や孫が宴を開いてくれることは多いと思いますが、二人で祝う方は少ないかもしれません。
夫婦は家族の第一歩です。年に1回、お互いに感謝しつつ、夫婦というものを考えてみてはいかがでしょう。
なお、一般的な区切りの名称は次のとおりです。

 

<年数> <名称> <意味> <プレゼント例>
1年 紙婚式   アルバムなど紙製品
2年 藁婚式 質素倹約を意味し、贅沢を戒める 木綿のハンカチやコットンのテーブルクロス
3年 革婚式 そろそろ倦怠期、革のように粘り強く バッグやベルトなど
皮革製品
4年 花婚式 花が咲き、実がなるように 花束
5年 木婚式 夫婦がやっと1本の木のように一体になる 木製のフォトフレーム
観葉植物
6年 鉄婚式 鉄のように強い人生を ペンダント、カフスなど
7年 銅婚式 家族、財産の安定を銅に例えて 銅製品、毛織物
8年 ゴム婚式 弾力性のある2人の生活を  
9年 陶器婚式 陶器を大事に扱ってヒビが入らなかった コーヒーカップなど
10年 錫婚式 錫のように美しさと柔らかさを兼ね備えて 錫製品、装飾品など
11年 鋼鉄婚式 鋼のように強い愛の力で結ばれて 鋼鉄製品、鍋など
12年 絹婚式 絹のようなきめ細やかな2人の愛情 スカーフ、パジャマなど
絹製品
13年 レース婚式 さらに深く綾なす愛の証 手袋、ショールなど
レース製品
14年 象牙婚式 象牙のように年齢を重ねて輝く価値 ネックレス、夫婦箸など
象牙製品
15年 水晶婚式 透明で曇りのない水晶のような信頼 透明で曇りのない水晶のような信頼
20年 磁器婚式 年代と共に値打ちが増す磁器のような夫婦 食器、置物など
磁器製品
25年 銀婚式 結婚生活の一区切り、いぶし銀の美しさ スプーン、銀食器など
銀製品
30年 真珠婚式 富と健康をあらわす海の宝石に例えて 装飾品など真珠製品
35年 珊瑚婚式 永い年月を経て成長する珊瑚に例えて 珊瑚製品
40年 ルビー婚式 深赤色のような2人の深い信頼と誠意 装飾品などルビー製品
45年 サファイア婚式 誠実と徳望で結ばれた結婚生活 装飾品など
サファイア製品
50年 金婚式 金色の輝きを得たという豊かさで大きな記念日 装飾品など金製品
55年 エメラルド婚式 深く静かで尊い夫婦の生活 装飾品など
エメラルド製品
60年
/75年
ダイヤモンド婚式 長寿と一族の繁栄を意味する最高の結婚記念日 装飾品など
ダイヤモンド製品

 

お食い初め
生まれてきた子供が一生食べるものに困らないようにとの願いをこめて、誕生後100日目か120日目にお食初めの儀式をおこないます。ちょうど歯が生えはじめるころであり、「歯がため」「箸初め」ともよんでいます。
母親が子供を抱き、男の子であればその席の長老が、女の子であれば女性の年配者が介添え、つまり食べ物を食べさせる真似事をします。
祝いの膳は一汁三菜で海のもの、山のもの、里のものをそろえます。縁起物として尾頭付きの鯛や赤飯、長寿を祈る梅干しも用意しましょう。丈夫な歯がはえるようにと、小石を土器(かわらけ)に盛り、歯茎をなでるしきたりもあります。
食器は、正式には、内朱の塗り物が女の子用、朱塗りが男の子用ですが、子供にふさわしく、今後も使えるものをそろえればよいでしょう。箸は白木の柳箸をもちいます。
帯祝い
どこの家庭でも子供の誕生は待たれるものです。妊娠5ヶ月目の戌の日にお腹に岩田帯という腹帯をまくのが帯祝いです。古来、帯祝いの日は戌、子、酉 の日から選んでいました。戌はお産が軽いことから安産を願って、ねずみは子孫繁栄を、鳥は大空をはばたくような偉い人になれるように、ということからきているようです。
「冠」の祝いは、まず出産の無事を祈る帯祝いからはじまります。その起源は古く、『古事記』によると、三韓出兵のとき身ごもっておられた神功皇后が岩田帯をつけられたことによるとされています。岩田帯とは「斎肌帯」(いはだおび)の転化したもので、「斎」の字は精進潔斎に使われるように、清浄を意味するものです。
ひな祭り
な祭りは桃の節句とも呼ばれ、5月5日の男の子の節句に対して女の子の節句として行われてきました。
ひな祭りは、昔、中国で3月の上巳(最初の巳の日)に、人形に厄を移して流す水辺のお祓いの行事をしたことに始まります。これが日本に伝わり、宮中で天皇のお身体を人形で撫で、厄をはらう行事になり、貴族階級にひろまっていったのです。その後、人形を水に流す習慣にかわり、お寺に送って、祈とうしてもらうようになりました。
厄除けの人形としての意味がうすれ、女の子の良縁を願うため雛を飾るようになったのは、江戸時代の初期からで、初めは素朴な紙雛であったものが、儀式化されるとともに半永久的で装飾性に富む豪華なものがつくられるようになりました。元禄時代には雛壇をもうけて、段飾りや調度品まで飾るようになりました。
端午の節句
5月5日は端午の節句といい、五節句のひとつです。現在では子供の日として定着していますが、菖蒲の節句ともよばれ、飛鳥時代に日本に伝わったものです。
1年を十二支に分けると、午は「ご」とよみ5に通じるので、5が重なる5月5日をおめでたい日として、端午の節句というようになりました。奈良・平安時代には、菖蒲やよもぎを冠や衣につけ、邪気をはらうまじないとしました。その強い香りで災厄をのぞくことができると考えられていたのです。
江戸時代になると、菖蒲が尚武に通じることから、武家の間で男子の出生を祝い、元気に育つように祈る日となりました。この日に鯉のぼりをあげるのは、滝をさかのぼると龍にかわるという中国の伝説から、立身出世を願うシンボルとなったからです。
賀寿の祝い
賀寿とは長寿の祝いをいいます。古代中国では40歳を初老の賀として長寿の祝いの始まりとしました。
日本では、十干十二支がひとめぐりして、その人の生まれたときと同じになる還暦を一つの節目として祝います。しかし、人生五十年の時代ならともかく、現在では還暦といってもまだまだ働き盛り、とても長寿の祝いというわけにはいきません。相手のことを考えて、その方にあったお祝いをしたいものです。

 

賀寿には還暦のほかに次のものがあります。
古稀(70歳) 杜甫の「人生七十古来稀なり」から引用されたもの
喜寿(77歳) 喜の字を略して書くと七が重なっていることから
傘寿(80歳) 傘の略字が八と十の組み合わせからなっていることから
米寿(88歳) 米の字が八十八の組み合わせからなっていることから
卒寿(90歳) 卒の略字が九と十からなっていることから
白寿(99歳) 百の字に一画少ないことから
最近では、さらに長寿の方もいます。
中寿(100歳) 1世紀の意味から紀寿、中国の文献から大斎ともいう
茶寿(108歳)  
上寿(120歳) 人の寿命を上中下にわけ、その最も長い意味